【十勝清水】看護と宿の交差点 – 桐木智一さん/和みの風 (後編)

 

この記事の目次

・「二足わらじ」複数拠点を持つ

・「点の交わり」次へ進むために

・「二度の天災」とこれからの話

前回の記事では、「和みの風」を運営する桐木さんのお話を、
とてもざっくりとではありますが、紹介させていただきました。

自分は看護のことはよく知りませんが、元々台湾で看護師をしていた助手が
質問をすることで、国による違いや、看護分野の話も掘り下げることができ、
”看護目線”で宿業を考える、新しい視野が広がりました。

今後の社会において、看護師の可能性はいくらでもある。
そんなお話にもなり、自分が最も気になったテーマは、

「医療とサービスの境界はどこにあるのか?」

そのことについて議論を掘り下げていくうち、一周回って、
改めてサービスの定義について考えさせられたりしました。

 

後編では、桐木さんのこれまでの選択やその考え方から、
参考になるものをラボ的に考察していこうかなと思います。

・「二足わらじ」複数拠点を持つ

桐木さんの投稿より引用 https://www.kango-roo.com/sn/a/view/470

前編にて、想定していた「旅を困難に感じている潜在的な旅行ニーズ層」に
まだきちんとフックできていないのが現状、ということを書いていましたが、
実際には、ご家族連れの方たちに多く来ていただいているようです。

桐木さんは、宿業だけではく、平日の日中は訪問看護のお仕事もされています。
宿業の常として、一年のなかでも繁忙期と閑散期があり、上記の画像のように、
シーズンによって生活のパターンを変えているそうです。

宿の経営と訪問介護を両立させ、二足のわらじを履いて生活する
これもひとつの「複数拠点居住」の形なのではないかと思います。
(「複数拠点居住」については以下の記事を参照)

【岩見沢】山里暮らしと”複数拠点居住”の可能性 – 前田和司教授/北海道教育大学岩見沢校

桐木さんには、もともとの看護の仕事をされているときに、続けていく途中で
「管理職になりたくない」と考えるようになり、そのためにどうすれば良いか、
という方法を模索していた中で、宿業にたどり着いた、という経緯があります。

経済的には、決して楽ではないし大変なこともある。
桐木さんは、自分達の生活についてそう述べていましたが、
一方で、いろいろな経験ができて満足もしているそうです。

組織の歯車にならず、自分のイマジネーション通りに人生を送る。

その為に、多かれ少なかれのリスクを背負う必要はありますが、
そのリスクを分散するのに「複数拠点」は有効なのかもしれません。

【今回の仮説】
自分のイマジネーションに沿った人生を送ろうとしたとき、
リスクやコストの分散のために「複数拠点」が有効になる。

・「点の交わり」次へ進むために

仮説のひとつですが、「複数拠点」を持つためには、
”点をきちんと穿つ”ことが必要なのではないかと考えています。

桐木さんの場合は、”看護師”という点をきちんと穿っていたからこそ、
別の場所にある”宿”という点に向かって繋げていくことができました。

自分の中できちんと穿っている点があれば、次の点へ向かっていく
足がかりになり、踏み出す勇気を持つための根拠にもなるはずです。

自分は、このことを考える際に、ボルダリングをイメージしました。
基盤となる点もなく闇雲に進んでは、やがて行き止まり落ちてしまう。
足がかりとなる点を作ることが、先へ進むための必要条件といえます。

【今回の仮説】
点と点を繋いで、「複数拠点」を持つために、
まずは、きちんと点を穿つことが次へ進む必要条件。

・「二度の天災」とこれからの話

被災後の十勝清水にて撮影

「和みの風」が開業してから、いままでに二度の天災がありました。
どちらの時も、宿泊業にとって少なくない影響があったといいます。

一度目は、2011年に日本中に大きな波紋を与えた、東日本大震災。
二度目は、2016年に十勝清水の町を襲った台風10号による洪水。

桐木さんは、独立した事でこれらの影響を直に感じるようになり、
自分ではどうしようもない、世界の事象からの影響を不安に感じ、
宿を辞め、訪問看護師の仕事を中心にすることを考えたそうです。

しかし、そんな取り巻く環境の様々なリスクを鑑みながらも、
桐木さん夫婦は、これからも和みの風の運営を続けていきます。

辞める事をやめました|和みの風日記

周りからは何度も、「無理じゃないか?」と言われてきたなかで、
それでも、「やめなければ失敗しない」という気持ちを保ち続け、
自分のイマジネーションを信じて行動し続けてきた桐木さんに、
見習うべきことはたくさんあると感じました。

【今回の結論】
自分のイマジネーションを信じて行動しつづけるために、
「何となくうまくいく」というポジティブな直観を持つことが大事。

和みの風に関する、助手のブログはこちらから。

TRAVEL KEEP HEART BEATING

(中国語ですが。笑)

せいしゅう
桐木さんのお話を聞いて、自分なりのイマジネーションを持つこと、そのために行動することについて考えさせられました。和みの風のその後のお話も、またお伺いしたいなと思います。

前編はこちら。

【十勝清水】看護と宿の交差点をつくる – 桐木智一さん/和みの風【前編】